Bleep StoreやBeatport等の「**年ベストトラックまとめ売り」を見ていると「それっていいのかな」みたいな非常に複雑な気持ちになってきます。ですがよく考えてみれば私もこれまでCDで「Best of Hardcore **」みたいなCDを死ぬほど、死ぬほど買ってきたわけで、むしろパッケージの利便性を考えればMP3の方が向いているような気がします。
しかしなんでしょうこの圧倒的な違和感。MIX CDのフルレングスLPを初めて見た時にも非常に違和感を感じました。MIX CDだと一枚で16曲ぐらい入るんですが、フルレングスLPだととってもゴージャスな折り返しジャケットに10曲ぐらいしか入らないんですよね。しかも大体片面3・4曲ぐらい入るので内側の曲に行くほど使いづらく、同じMIX CDなのに何という扱いの差だろうと思ったことがあります。
世代的に全くもってリアルタイムではありませんが、LPで聴くのが当たり前の時代の人がはじめてMIX CDを見たときの違和感とはどんなものだったのでしょうか。あ、いや、タイミングで考えるとコンピレーションCDの方が先でしょうか。そうすると初めてコンピレーション CDを見たときの違和感?そんなこと言い出すと初めてCDを見たときの違和感とかの話になりそうで止まりません。こういう人はリアルに沢山いると思うので今度詳しく聴いてみたいと思います。
●BLEEP BEST OF 2009 / 100曲30ポンドまとめ売り(販売期限切)
●Bleep Store Best of 2009
MP3の話に戻るとまとめ売りです。Bleepでは100曲まとめ売りをしていました。誰の曲が入っているか、どんな曲かは全部聴けて分かるのですが、下のリンク(Bleepストア2009年ベストアルバム集)と上のリンク(100曲まとめ売り)では全然気分が違いますよね。
●Juno Download / The wishmaster DJ CHART
Juno Download等ではDJ CHARTの販売をやっています。雑誌のDJ CHARTみたいなアレをダウンロード販売と直結してそのまま売る訳です。中々押す人はいないと思いますが「Buy Chart」というチャートをまるごと買うボタンがあります。
これと100曲まとめ売りも全く気分が違います。実際あんまり売れてないのかGABBAの項目にはこのチャート一つしかありませんでした。JUNOで売っている×GABBAである(ここまでの二つで相当偏ってる)×自らのお薦めであるというフィルターは流石に濃すぎるのでしょうか。
●Beatport Chart
ハードコアで考えると偏りすぎますね。beatport等ではどうでしょう。チャート販売って一度も使ったことが無いのでちょっとピンと来ませんが、Junoのそれよりは圧倒的に「Buy Chart」をしたくなる画面構成になってます。尤も、それって中身をあんまり見なくてもこの人の一押しだから一気に買いたいということなのでそれならばMIX MP3を買った方が自然ですし、中身を見ないで買える人ならそもそもDJのMySpaceに行けば無料のMP3の一つや二つはあるような気がします。
そんなことを考えいていたらクリスアンダーソンのフリーを思い出しました。最初クリスアンダーソンって誰?って思ったんですが「ロングテール」という言葉を最初に言い出した凄い人と言う事で買ったみたんですが、めちゃくちゃ面白かったです。私達が普段「なんとなく」で感じている無料配布の不思議を、**型**型ときっちりと類型化してくれていて膝を打ちます。
物凄く論理的で、物凄く新しい話ばかりでとても面白いんですが、如何せん殆ど全て自分の知らない世界の話で、それぞれのお話は「**業界では」という実績を元進められているのでそれがどのぐらい各業界の人にとって府に落ちる話題なのかよくわかりません。
何度もいいますが面白いんですこの本、めちゃくちゃに面白いんです。しかし音楽業界での成功例での話になるととても府に落ちなくなります。具体例はやっぱりマドンナ・レディオヘッドです。この話ってよく出るけど嘘みたいなもんだと言い切っていいような気がします。
いや、マドンナ・レディオヘッドは実在する人物だから嘘じゃないんですが、あぁ、違う、こんな話がしたいんじゃなくて、えぇと、なんでこんな話になっちゃうんでしょうね。MP3のまとめ売りの話からこんな話になってしまいました。言いたいことは全然ちっともこんな話ではなくて、これだと何だかダウンロード販売を否定してるみたいな話になってしまう。ダウンロード販売の方が圧倒的に使っているし、自分の中でもクリスアンダーソンの本は非常に面白かったのにすぐにこういう話になってしまう。
なんででしょう、なんなんでしょう。ダウンロード販売の可能性やライブ事業の考え方として凄く面白いと思うのに、いざダウンロード販売のまとめ売りを見てしまうだけで何故こんなに違和感が急激に増すのでしょうか。ライブで儲けている人を殆ど一人も見たことがない、儲かっているイベンターを殆ど一人も見たことがない。これまでの形式からこれからの形式までの形式差が凄すぎて頭がまるでついていきません。
クリスアンダーソンのフリーの中身は99.9%が音楽業界意外の話です。自分達が知っている範囲外の話なら「面白い!凄い!」とこんなに喜んで読めるのに、自分達がほんの少しでも知っている範囲に話が及ぶと途端に府に落ちなくなる。もしかして殆どの人がこの本を自分達とそれ以外の業界の話としてそうやって見ているのではないでしょうか。概念と現実のギャップが凄まじすぎる。
音楽=楽譜であった世界の人々は音楽=レコードになった世界がどう見えたのか、演奏家達にはラジオがどう見えたのか、レコードシングルがMIX CDになるとどう違って見えるのか、宣伝コピーが「オリコン一位」から「レコチョク一位」になるだけで、コンピレーションMP3がMP3まとめ売りになっただけでこんなに世界が違って見えてしまう。
本を読んでいると(外から見ると)、その移り変わりをリアルタイムで体験してる人達がみんなその方向に動いているように見えるのに、いざ体験してみると(内から見ると)リアルタイムで体験した人々がテンで違う価値観でそれぞれの行動をとっている。
恐ろしい程面白い、2010年今現在日本の関東は東京でこんな移り変わりが見えるなんて、私達はなんて運がいいんでしょう。念を押しますとこのお話、何かを訴えたい訳ではありません。こんなこと、思い悩んでる振りでもしなければ書けたものではない。