長島☆自演乙☆雄一郎 @ DearStage
今日はDear Stageに行ってきました。地下アイドル系ライブハウス(?)、多分このフレーズはディアステージを正確に表せてないと思いますがとりあえず大体そんな感じの凄いところです。女の子達が平日でも一日三回のライブをしていて、かなり特殊な常連さん達がいました。色々面白いことはあるのですがなんといってもオタ芸、全くの異文化でちょっと話を聞くだけでも非常に面白いです。(既にアニメ×クラブ系の各種オタクイベントにはかなりこの文化は降りてきており、ちょっとアニメ色が強いイベントではワンツー手拍子であるとかPPPHであるとかは平気で行われていますし、楽曲そのものに取り入れているアーティストも多い気がします。腰か下の様式美がJUMPSTYLE STEPで、腰から上の様式美がオタ芸とかパラパラであるよう気がしました。)
で、オタ芸です。とにかくまずライブに行かないと始まらない対面コミュニケーションなので、意外と場所によって統一されていないことと、それでいてその場所で定着したアクションは異様に純化されていくという極端さがとても面白かったです。
まず壁にかけ声の書いてある紙が貼ってありました。これ、MIXというそうです。「タイガー、ファイヤー、サイバー、ファイバー、ダイバー、バイバー、ジャージャー」という感じのこと書いてある紙が貼ってあって、これをそのまま叫ぶ訳です。Aメロのここが終わった後、とかBメロのここが終わった後、とかの特定のタイミングで叫ぶのが定番みたいです。なので物凄く小難しいフレーズまでピッタリとシャウトが揃ってしまうんですね。たまにオタク系イベントで叫んでる人を見かけてはいましたが、まさかここまで掛け軸の如く標語として扱われているとは思いませんでした。
しかも横に日本語「虎、火、人造、繊維、海女、振動、化繊飛除去」「桃(ピンク)、栗(マロン)、芋(ポテツ)、乳(バスト)、妹(シスター)、油(オイリー)、箱(段ボックス)」アイヌ語版「チャペ、アペ、カラ、キラ、ララ、トゥッスケ、ミャホットゥスケ」等みたいなのが書いてあるんです。何故訳してあるのかよくわからない感じが凄くイイ。
素晴らしい様式美。アニメ×クラブ系のパーティーでは「クラブ」という場だと思ってきているので、ブレイクとかでどういう風に踊っていいか全くわからず戸惑っている青少年というのは必ず見かけられる光景です。しかしどのように興奮するかまでを先取りで様式化しているオタ芸では、「オタ芸」の場だと把握されているので非常に思い切りが良く、やることが決まっている分クラブではちょっとあり得ないぐらいの興奮になっています。そんなの「本当の」音楽が楽しめていないじゃないかという人がいらっしゃるかと思いますが、そういう人は一度オタク系イベントを見てみることをお薦めします。不思議タバコが決まっている人とどっちが本気で興奮しているかは比較する価値が十分にあります。
、「じゃあみんな同じことをやり続けているのか、つまらないなぁ。」と思うかも知れません。ですがやることが決まっている分だけエッジが強烈に際だちのですね。各種オタク系イベントでアッチまでぶっとんでいる人達は沢山見てきましたが、とかくディアステージではとにかくその部分ばかり強烈に純化されているので尖り具合半端ではありません。必ず内集団の中に「一歩進んだ俺」が現れてちょっとづつ新しいものに変化していくのです。これが外集団からすると心の底からどうでも良い変化なのに、内集団でちょっとした変化・進歩を繰り返していくうちに極端に純化され、最終的に何年もこの状態で放置しておくととち狂ったような変貌を遂げるのです。これはパラパラ・テクパラ・ヤンキー文化全般に然り、見ていて楽しみがつきない変化ですよね。キャバ嬢の昇天ペガサスMIX盛りなんかその最たるものですが、内集団でのちょっとした競争が最終的に手に負えない変貌に至るというのは見ての通り驚異的なことです。
何故これほどまで極端な純化に走るのでしょう、面白いですね。内集団の中で現れる「一歩進んだ俺」というのは外集団からすれば非常に些細な変化です。この微妙な変化をエッジと呼びましょう。最初は5Bの鉛筆ぐらい柔らかかったはずのこのエッジが、放っておいたら人を殺せるぐらいの鋭利な刃物になっていた訳です。
このエッジの微妙な変化が全部同じに見えるか、違ったものに見えるかが非常に重要です。ニコニコ動画の様式美と一緒なのですが、例えばニコニコ動画×アイドルマスターの文化「ニコマス」で言うと、一番最初に「とかちつくちて」というワードが出てきます。特定のフレーズが発音の問題で「とかちつくて」と聞こえて面白いという只それだけです。それの一番最初がコレです。
THE IDOLM@STER アイドルマスター とかちラーメン大盛り ~望みの限りに~
聞いての通り、気が狂うほど延々と「とかちつくて」と言い続けます。映像も音もループしているだけで極めてシンプル。それで、こういうアイドルマスター×ニコニコ動画の世界は「ニコマス」という形で映像音楽としてどんどん純化されていくのですが、これが数年経つとこういうのになります。
わかむらP / アイドルマスター Perfumeパーフェクトスター・パーフェクトスタイルPV風R2
特定の一部分をループしてただけの文化からどんだけ職人芸になっちゃうんだようというお話ですが、ここで差が付くのが上の動画と下の動画に至るまでの過程が「似たようなモノ」に見えるかどうかです。アニメーションであるとか美少女であるとかいうものに全く興味がなく、等身が少ない女の子は大体全部同じに見える人にはエッジがきつくなったことには気がつかない訳ですが、ある意味気がつかないことによって放置することで最終的に上記動画のような刃物を産み出されているのですね。多分、上の動画二つを並べてもどう違うのかわからない人は実際にいると思います。これは例えばガバの内集団からすれば
これが
こうなって
こうなるぐらいの大進化です
最初はTR-909のドラムをただ単に過剰入力して潰して作ったノイジーなだけだったはずのドラムが、途中から内集団で通称「ガバキック」というエッジとして表れ、タム潰しを行うであるとかシンセレイヤーを行うであるとかそいう職人芸的ドラム作りの競い合いになり、最終的にNU STYLE GABBAという変貌を遂げるわけです。個々のロッテルダム時代であるとか、ハッピーガバ時代であるとか、ニュースタイルガバ時代であるとかのそれぞれの横軸の音楽を同時に並べられても外集団はその変化・エッジに気付くことが出来ません。
しかしこういうのも15年ぐらい放置しておくと上のような変化を遂げてしまう訳です。何度も言いますがこの微妙な変化がキックのEQが微妙に上がったとか潰しがきつくなったとか、ガバ以外の外集団からすれば心の底からどうでも良い変化であるというのが凄く面白いですよね。
そしてこの内集団・外集団の距離感が、その人が気付ける「エッジの丸さ」と直結しているのも素敵です。「ハードコアテクノウチ」で紹介しているのだから多分、上記Alles Naar De Klote オリジナルミックス→ニュースタイルリミックスの変化は分かって頂けると思うのです。しかしこれぐらい強烈なエッジとして表れていても、とても遠くの外集団から見るとそのエッジは殆ど同じように丸く見えてしまいます。これは音楽の好みの純化にも繋がるのではないでしょうか。
例えば今これをご覧の方にACID HOUSEに全く興味が無い方はいらっしゃいますでしょうか。距離の遠い音楽として例に出すので出来ればアシッドサウンド全般に興味がないで頂けますと助かります。例えば初期のアシッドハウスのTB-303のレゾナンスサウンドは、Acid Traxに見られるような
シンプルなビヨビヨ音から
HARDFLOORに代表されるオーバードライブアシッドに激変しました
さてあなたのアシッドハウスとの距離感はどのぐらいでしょうか?上下の動画違いは一度去ったアシッドハウスムーブメントが世界的に再燃する程の劇的な変化です。多分これは高校一年生の頃の私すると、この二つの楽曲は非常に距離の遠い音楽なのでほぼ同じ音楽に聞こえたと思います。それは私から見て1万キロ先のビルと1万100キロ先のビルぐらい等しく遠い音楽であって、大体同じぐらい丸いエッジに見えたと思います。でも内集団からすると全然違うのですね、円の中心からすると二つのビルは真反対に位置しているかもしれません。
音楽の世界の中心はどこでしょうか、それは地表のように平面的な広がりなのでしょうか、地球のような中心の無い球体なのでしょうか。宇宙の果てがどうなっているかと議論し続けているうちに100歳を迎えられれば私は幸せです。




























