●ヤマハ渋谷店
先月ヤマハ渋谷店の2階に行った時に思ったことなんですね。渋谷というのは楽器屋が物凄く多い街でして、ハチ公の反対側とかには山のように楽器屋が連なっているんですが、なんとなく、なんとなしにこのお店が好きです。ヤマハなのであんまり切羽詰まっていないというか、公務員的な営業が凄くタルくて素敵ですね。あ、すいません、ヤマハ全体がタルい訳じゃないみたいです。今日の日経にはピアノ人口は減っているけれどのれん代償却でギリ黒字達成と書いてありました。まだ大丈夫です。
●音楽の演奏といえばピアノ

ピアノ指導者のための教室運営ガイド
相手は音楽家ではなくそのお母さん
で、ここの二階に楽譜・音楽理論・教則本が死ぬほど沢山あるんですね。私達、あまりにエレクトロニックミュージックばかり聴いているのでついつい忘れてしまいますが、世の中普通は音楽といったらピアノで御座います。ピアノ人口ってかなり凄まじいようで、如何に人口が多いかを伝えてくれる本としてピアノ教師のためのお悩み解決本というようなのまでありました。ピアノ教室の運営法から保護者のあしらい方まで、どんだけ人口多いんだよとため息が出ますね。
●音楽教則本
それで、ピアノな人々なために死ぬほど沢山の楽譜がおいてあります。私は楽譜読めないので全然わからないのですが、楽譜コーナーの隅っこの方に音楽理論・教則本のコーナーがあるんですね。私、音楽本大好きなんですが、どうにもこういう本は弱いです。多分あんまり好きじゃないんでしょうね。あんまり要領は掴めないのですが、ざっと見ているとどうやら音楽教則本には基本的に3・4種類の大別があるみたいだとわかってきます。
●弾いてみた系

ひたすら弾くだけ! ギター・トレーニング
とにかくまず楽しそう!なことが大事
大まかに言うと「弾いてみた・音楽理論・楽典」の三つです。後ろに行くほど難易度が上がっていきます。「弾いてみた系」は簡単にいうと「はじめてのピアノ」「今すぐ弾ける!エレキギター」とかそういうのです。これは基本的に理論的なことは書いていなく、何故音符がそういう風に配置されているのかは考えずに、とにかく弾いてみたことに感動するための本です。
こういう本には「何故」という理由があまり込められていないので私は逡巡してしまいます。まぁ演奏するのに理由を一々問われても鬱陶しいのでそっちの方が正しいんですが、楽器って弾けると楽しいのかな、楽しいんでしょうね。私これといって出来ることがないのでその感動にあまり共感出来ていません。何か弾けますかね私は。あ、音楽ゲームとDJが出来ますね。なるほどこれは楽しい、やはり何故は必要ない。あなたDJなんて誰でも出来るじゃんと侮ってはいけません。後述することと矛盾しますが世の中にはDJ教則本というものがリリースされる程認知されている演奏技術なのです。
楽器を演奏出来るってカッコイイですね。今日もNHKで趣味悠々指1本からはじめる!小原孝の楽しいクラシックピアノがやっていて改めて楽しそうだなぁと思いました。ゲストが西村雅彦なんですね。凄く意味がわからなくてこれがまたいい。完全にド素人でその名の通り指一本からピアノを引き始めます。しかも物凄く間違える。全国放送とかの単位でこういう普通の人の演奏が見れると凄く安心しますね。というかあんなもんですよね実際。第三回目にして西村雅彦私の十倍ぐらい上手くなっていますもん。やっぱりね、やっぱり努力ですよねこういうのは。。
●音楽理論・作曲本

初音ミクミキシングボックス
出来るだけ目につくジャケットにしよう
で、本命の音楽理論の本です。基本的にポピュラーコード理論と作曲全般の本です。どっちも少なっ!びっくりします。弾いてみた系の比べてめちゃくちゃ少ないです。どうして!?世の中にこんなに多くの作曲家志望が世の中には溢れて、テクノロジーの進化に伴いイカ天→SC-88 MIDI→Muzie→ニコ動・初音ミクという風に発表の場を変えつつも常に常に若き新人で溢れるこの世界の教科書が何故こんなに少ないのでしょうか。殆ど99%の人が挫折するから?面白くないから?
また、コード理論の他には、メロディ・コード・作曲作業・デビューまでの流れまでを一気に追った通称作曲本がリリースされています。こっちも少なっ!いや少なすぎるでしょう!?直近の目立つリリースとしては、昨今の同人音楽ブームに乗った同人音楽制作ガイド、昨今の初音ミク・パフュームブームに乗った美少女テクノポップの作り方等が見受けられます。ブームに乗っていてチャラいとか何とか言いたくなる人がいるかもしれませんが、内容は萌えとかあんまり関係無くて非常に真面目に作曲本です。リリースの仕方自体に「作曲本なんて大して売れないでしょう」と思っている出版社&上司を上手く騙くらかして出版している感が溢れていて、如何に通常作曲本というものが売れないかということを痛感させられます。作曲本の話なのに初音ミクばっかり出てきてすみませんが、やっぱり確実にこちらの方が10倍売れております。もはや何かのきっかけに乗じてリリースしないと出版許可自体が降りない状況なのかも知れません。
とあるゲーム音楽家に聞いてみました。音楽理論本ってあんまり売れないんですかね?
「ギターが弾けるようになる!とかと違ってあんまり夢がないからね。」
そうですね。
●楽典

楽典
アイキャッチとかそんなの考えない
で、一番難しいのに「楽典」があります。というかヤマハとかそういうのだとここのコーナーが一番大きいですね。簡単にいうと音楽大学の教科書です。ここまでの本がまず、「ドとレの間にはド#があるよ!」という勢いで始まるのに大して、こういう本は理系大学のテキスト並みに想定も文体も味気なく、またスタートラインからして容赦ありません。まぁわかんないで読んでるんですけど、これって基本的にクラシック主体からの理論ですよね。物凄く容赦なく徹底的にどこの音に大してどこの音がハマるか、どこの音に大してどこの音が流れとして合っているかが理論化されています。
●既に教則化されている音楽と皆が作りたい音楽

載ってるの← →作りたいの
何か強烈な違和感があります。楽典の内容は基本クラシックからの理論のようです。ポピュラー音楽理論の本にはクラシック・ジャズぐらいまでの時代の理論が載っていて、比較的新しいものですとプレスリーとかビートルズが出てきます。そして弾いてみた系の課題曲はキマグレンです。
何でしょうこの猛烈な、異常な乖離は。楽典(クラシック)に出てくる理論は「そんなところまで」という程に徹底的に理論化された説明が出てきます。ポピュラー音楽理論(クラシック・ジャズ)の本は、一気に内容が薄まりとりあえずの王道だけパッと載っています。弾いてみた(ポップス)に至っては確実にこれだけでは作曲に至れない大雑把さ。デトロイトテクノの教則本を作れとはいいませんがこの乖離は一体なんなのでしょうか。
恐らく圧倒的多数の音楽家が作りたいのはフライミートゥザムーンみたいな曲ではなくウ・ル・ト・ラ・ソ・ウ・ル!ヘイ!みたいな曲だと思われます。しかししかしぽっかりとこの中間が抜けている。例えばビーイング系のような90'sミリオンセラーポップスは徹底的にマーケティングされぬかれた「音楽家が作り出すのではない、時代時代の大衆に宛がわれた楽曲進行」なんて言われています。ここには確実に基本法則があるはずです。
●音楽理論の教則本はなぜ売れっ子アーティストが書かないの?
とある音楽理論に非常に詳しい同人作家さんに上そのままズバリを聞いてみました。
「(売れてる音楽家が音楽本を出さないのは)その人が音楽で食えてるからじゃないの?」
そりゃそうだ!「音楽理論がわかることと良い音楽が作れるのは別」とも言われました。そりゃそうだ!むしろ今出てるポピュラー音楽理論の本って奇跡なんじゃないかとすら思えてきました。飯の種は渡さない。サンプリングCDに本当に使える音は敢えて入れないのと同じ。自分が一番気に入ってる音は収録しないで自分の曲に使う。
じゃあ今一番流行ってる音楽の理論本は、それを駆使しても恐らく売れてる楽曲にはならないであろうと時代まで期待しないほうがいいのでしょうか。「僕にも出来る!B'z入門」はまだまだ遠い夢なのでしょうか。今日はこういうことじゃなくて全く別の話を書きたかったのですが、ヤマハ渋谷店の話をしていたらそれだけで終わってしまいました。みんな、ポピュラー音楽理論の本を大量に買って出版社を動揺させよう!



サンプリングCDは有名アーティストも出してませんか?
loopmastersのシリーズ物でAQUASKYとかDeadmau5を見かけたことがあります。
まぁ確かに自分が気に入っていたり、最新の音は入れないでしょうね。あくまでお古、お下がりといった感じがします。
『同人音楽製作ガイド』をついうっかり買ってしまった私が来ました。
でも実際トラック作ったりはしてるけどコードとか知らないのでふつうに『初歩の音楽理論の本』として重宝してますw