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「DJソフトも作曲ソフトもこれ以上進むとすれば統一規格だ。」
というお話を聞いてなるほど、と思いました。イベントに出演してみると、日を追うごとに演奏機材が増えていきます。ちょっと前であればテクニクス(定番ターンテーブル)が二台とパイオニアM(定番ミキサー)があればイベントは万事成り立ちましたが、CDJ50からCDJ1000に到るまでの新しいCDJという楽器というポジションが登場して必要な配線が二本増えてしまいました。
この前ラウンジで出演してびっくりしましたが中期パイオニアMは4チャンネル目がタンテもしくはCDJではなく、タンテもしくはサブマイクという回線なのですね。え、なんでって一瞬思いましたが、ターンテーブル二台が主流の当時としてはこれは非常に豪華なことだったんでしょう。ターンテーブル三台とマイク二本を想定して作ってある豪華なミキサー。
確かに相当豪華です。でも十年も経ってしまうと「え、これCDJ二本入らないの?」と思えてしまうのだからおっかないですね。そんな風になると思って作られていないのですね。ですが時代の流れとはもっともっとおっかないものらしく、最新のパイオニアMですら足りません。足らないのはCDJではなくPCDJ。
テクニクス二台とCDJ二台とパイオニアM一代、この時点で相当邪魔です。でもこの前のイベントではこれに加えて、えぇと...トラクター・トラクター・ライブ機材・ライブ機材・ライブ機材・エイブルトン・セラート・セラート、多分もっとあったと思いますが把握出来ません。
全然足らないんですね。本当はそのためにパッチベイで解決するのでしょうが、「短い紅白しか持ってないから」とか「セカンドフロアだし」とか「面倒だし」とか総合的かつ合理的な理由でミキサーに刺したり抜いたりします。何かがおかしい、そこで今こそ統一規格だ。
仕組みを知らなければ凄いと思うことも出来ない、
弦楽器・打楽器は一目見て誰もが仕組みを理解出来た気になれる。
音楽は音を楽しむだけではありません。楽器で演奏をする時、その楽器でその演奏が出来ていることそれ自体が凄いと納得出来なければ私達はイマイチ盛り上がれません。物凄い熱いピアノ演奏とテクニカルなギター演奏と汗だくのドラム演奏、これが私達が何の説明もなく盛り上がれる演奏です。ではクラシックオーケストラの指揮者は?これはギリギリです。凄いとも思えないし上手いか下手かも私達には判断できませんが「熱い」ぐらいはなんとか伝わってきます。
円盤が廻っているという仕組みが一目で分かる
その点、テクニクスはクラブミュージックの世界でそういった演奏の凄さを「ギリわかる」範囲で伝えてくれるものだと思います。仕組みが単純だから見るだけで凄いことがギリギリでわかります。殆ど99%のDJは次の曲をヘッドフォンで聴いて繋ぐだけですし、合理合理というならばPCでやった方が音楽的には確実に上手くつながっているのですが面白くない。
「円盤を模して造っている」という仕組みを知らないと凄さが分からない
PCでやった方(更にいえばPCでやらなければ出来ない程独特の演奏をする人は更に極一部)が音楽的には素晴らしいことはわかっているのに、何故テクニクスの方が格好良く見えるのか、それはテクニクスなら凄さなら私達にも「ギリでわかる」からではないでしょうか。
演者自体の手元が見えない、もし手元が見えても
もはや同じ仕組で演奏したことがあるもの同士で、
かつ後ろから回り込んでギリ分かる凄さ。
(しかも手元のPC画面が只のJPG静止画ではないという保証はないので、
凄いと思うその思い自体が思い込みかもしれない)
ここには技術の進歩が進化すればする程凄くなくなっていくバトルDJ達の苦悩も見えます。バトルDJの演奏はターンテーブルしかなかった時代には誰が見てもとりあえず凄かった(あなたも「DJをしてます」と言って「こういうの?(スクラッチの真似)」と言われた経験をお持ちのハズ!)。
ですが、技術が進めば進むほどターンテーブルでは出来なかった沢山の個性的な音を奏でることが可能になってしまったので、テクニクスバトルDJ達は「 何故あえてそれを不便なテクニクスで演奏し直しているのか」を絵的に説明出来なくなってしまいました。
円盤が廻っているという仕組みは理解出来ているのに、
(PCDJに置き換えてしまうとボタン連打で代行出来てしまうため)
こんなに大変な思いをしてここまでの実演が出来る「必然性(つまり凄さ)」が、
私達普通の人にはよく分からない
サマーソニックのDJケンタロウの演奏は実に不思議な光景でした。ターンテーブルではこういうことが出来ますという実演を一度して、その後に技術の進歩でこれが出来ますと重ねて実演して、更に今日はこんなことまでやってしまいますということを3部構成で実演していました。
ここで肝心なのはスクリーンで実演の様子を細かく見せること、リアルタイムであることを証明すること。もし手元が見えなかったりエディットされたVJであったりしたら大変です。リアルタイムという説明がなければ、何故あんなに複雑なことをわざわざテクニクスで実演しなおしているか説明出来ないからです。実演する必要性を説明出来なくなったら凄さ自体が説明出来なくなります。そうなってしまったらターンテーブルの実演なんてただ円盤が廻っているのを止めたり戻したりしてるだけです。リアルタイムであるということはズルをしていないということです。凄いということを説明するためにズルくないということを先に証明する必要が産まれました。
ということで絵的に凄い統一機材が求められています。私達はPCDJやライブ機材の技術が進歩し過ぎていて、もはや何が凄いのかわからなくなりつつあります。かなりマニアックな人同士でならTR-909/303の実機持ち込みの「凄さ」はわかります。ある程度作曲が好きならエレクトライブの光り輝く実機持ち込みの「凄さ」はわかります。でも、CDJの「凄さ」はあんまりわかりません。そしてセラート・トラクター・エイブルトン(が駆動しているということさえ知らなければもはやそれはDELLと書いてあるかリンゴが書いてあるかという程度の違い)の凄さは私達にはもはやほぼわかりません。テクニクスは絵的に私達が理解出来る最後の「凄さ」になるのでしょうか。
なんだか書いててよくわからなくなってきました。段々なげやりになってきました。クラブミュージックが技術的に進化した今、クラブミュージックを絵的に凄く魅せるにはどうしたらいいのでしょう。
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vestaxが放つiPod/iTunes連結によるdjソフト、15日間無料。誰もが待ち望んだ神秘のズルさ、「自動スクラッチ」を搭載。このぐらい自動でやってくれれば普通の人にも「凄さ」が伝わるかも?でもこの場合「凄い」のはあなたなのかそれともリンゴなのか?










