[TEXT]自分語り107 Bonkers よりも Dancemania SPEED
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twitterでダンスマニア云々書いてあったから聞いてみたいなとおもってtutaya行ったら馬鹿みたいにシリーズがありすぎて笑ったw
どっから聞こうか悩む
Twitter楽曲紹介でDancemania SPEEDとDance Express Hi-Speedについて記載しました。丁度メールも頂いたことですし、詳しく書いてみたいと思います。
【メインストリームハードコアとポップアレンジ】
東芝EMIの人気ダンスポップシリーズ「Dancemania」より登場のHappy Hardcoreサブシリーズ「Dancemania SPEED」です。登場は98年であり、ブックレットにはDJ BRISKが「期待の新人」と書かれていることにも時代を感じます。
ブックレットにも記載されていましたが、ダンスマニア本家シリーズの人気投票にて予想以上に高速テンポのトラックが人気を獲得しているため、では高速テンポ専用のシリーズをリリースしようではないかという経緯で誕生したようです。
帯はもちろん、ブックレットにも殆どハードコアテクノやハッピーハードコアという単語の登場しません。このシリーズが「アップテンポのダンスミュージック」としてハッピーハードコアを知らないダンスファン向けに紹介する意図が感じられます。初期収録曲の1~2割程度を占めるポップトラックのライセンスリミックスを担当したプロデューサもブックレットで「こんな高速なトラックは作ったことがない」というようなことを書いていましたね。
肝心の内容ですが、シリーズ1~3作目は殆どがUKのHappy Hardcoreシーンからのライセンストラックであり、Shooting Star, Hardcore Heaven (Here it Comes), Now is The Time, Smooth & Irresistible,Time After Time, Ravers Choise等、ハッピーハードコアメインストリームでも抜群の知名度をもつアンセムが大量に収録されています。
【突き進む日本独自路線】
しかし、シリーズが進むにつれ、人気投票の結果、非常にわかりやすい結論が見えてきました。「UKからライセンスしてきたレコードトラックよりも、自社でリミックスしたポップアレンジの方が人気が高い。」Scott BrownのNow is the Timeより、Smile.dk / Butterfly (upswing remix)の方が遥かに人気が高いのです。その人気を反映し、シリーズ後半では自社リミックスで埋め尽くされる勢いになっていき、Happy Hardcore メインストリームのライセンストラックはその合間を縫うように配置されていくようになりました。
楽曲だけではありません。繋ぎ方もHappy HardcoreメインストリームのMix CDシリーズBonkersやHappy 2b Hardcore, United Dance等とは全く異なります。約2分程でのりしろを作らずに次々と楽曲をつなぎ合わせ、CDの流れもアンセムを中心とした上げ下げを意識した選曲とは全く異なる、最初から最後まで上げっぱなしの選曲です。そしてとにかくポップソングのリミックスばかりなので、非常にメロディアス!初期シリーズでは鳴り響いていたレイヴスタヴもなりをひそめ、シリーズが進むにつれ非常に派手なオケヒとユーロビートのような隙間のないキラキラしたシンセが飛びまわるようになりました。そしてこのシリーズはユーロビート全盛期として異例の「日本で一番売れたハッピーハードコアCD」になりました。つまり多くの日本人がこういったハードコアを望んでいたのです。
当時の国産ハッピーハードコア界からはどう思われたのでしょうか?無視したかもしれません、ダンスマニアリスナーを「あいつらは本物のクラブがわかっていない」と適当にあしらっていたかもしれません、もしかしたら熱心に聴いていたかもしれません。しかしハッピーハードコアのパーティでButterfly (upswing remix)はプレイされませんでした。
でもそんなことはダンスマニアリスナーには全く関係ありません!私は正にダンスマニアスピードの狂信的な信者でした。新作がリリースされる度に狂喜乱舞し、小脇に抱えて走って帰る程の熱中ぶりです。Now is The TimeやHere I amの良さは少しもわからなかったけれど、ButterflyもCaptain Jackもとにかく最高だった!
【クラブミュージックを捨てた!Dance Express】
一方Dancemania SPEEDの成功を受け、他社Dance Expressシリーズが同じく「Dance Express Hi-Speed」をリリースしました。こちらに至ってはもはや、Happy Hardcore メインストリームからのライセンストラックは1楽曲たりともありません。全曲ポップソングのライセンス自社リミックスでした。しかもその内容はHappy Hardcore界のRaveルーツやDJ的観点を完璧に無視しきった、極端に軽いバスドラムと一か所たりともブレイクの無い曲構成に極端なオケヒの連発という驚異の独自路線でした。もはやHappy Hardcoreもナニもありません。こんな音楽世界中どこに探しても見つからない!という音源が万歳でした。
【J-COREへ】
こうして、イギリスのクラブシーンではHappy HardcoreからUK Hardcoreへの道を模索してゆく中、日本のクラブシーンではナードコア・テクノ旋風が沈静化してゆく真っ最中に、クラブとは全く関係ないところで「正に日本にしか存在しないハッピーハードコア」が量産されていきました。こんなことを東芝EMIに至ってはなんと98年からやっている!
私はこれが現在のHappy Hardcore系J-COREトラックの原点になったのではないかと思っています。HARDCORE TANO*Cの面子にもニコニコ動画でネタものハードコアをリリースし続けている人達にも確認をしたことがありません。実際はどうなのでしょう?
少なくとも、私の当時のこの2シリーズへの酔狂ぶりは正に異常でした。そして7年近くが経過してクリエイター側に立った私の作風はこれらの「国産ハッピーハードコア」(及び「エイベックス・ハイパーテクノミッション」)シリーズに強烈な影響を受けた楽曲ばかりになりました。私の楽曲には極端に大量のオケヒが立ち並び、DJスタイルはハードコア・トランス特有の巨大なブレイクをあえて潰す極端な早繋ぎになりました。
音楽ゲームで高速トラックという可能性を知り、ダンスマニアスピード・高速音楽隊シャープネル(現DJ SHAPRNEL)という極端に日本的なハードコア解釈でハッピーハードコア・ガバの両側を埋められた日本人。これって今私と同世代のJ-COREファンの典型的なスタイルなのではないでしょうか?
【Bonkers よりも Dancemania SPEED】
以上は、DJ TECHNORCHの妄信である可能性があります。とりあえずBonkersが嫌いでDancemania SPEEDしか聞くなという主張ではありません。Bonkersシリーズ等のHappy Hardcoreメインストリームは後から好きになりました(Here I amもNow Is The Timeも)。だから私が主張したいことは選民の問題ではなく、順番の問題です。
ということで私の勝手な決めつけはこのぐらいにして、今J-COREが大好きだと言ってくれる皆さんへの提案を考えます。今J-COREが好きだと言ってくるリスナーの皆さんには、Bonkersから聴き始めるよりもDancemania SPEEDから聞き始めた方が確実に早いはずです。
現状のHappy Hardcore系J-COREとUKメインストリームの楽曲には一定以上の壁があります。だから、無理してBonkersから聞き始めると「お勉強」になってしまう可能性があります。しかしDancemania SPEED, Dance Express Hi-Speedは私達の音により近い音を発信してくれていると思っています。
すみません、あんまり強引に一般化するのはやめた方がいいかもしれません…ですが私も当時Bonkersがメインストリームの一番カッコイイ音だと伺い、ちょっと無理して聞いていたのですが、なんだかとにかく全部のメロディがシンプルでさっぱりでした…その当時の状況は客観的に見て正にお勉強です。音楽を勉強する、なんて馬鹿馬鹿しい。
BonkersよりDancemania SPEEDを、ThunderdomeよりDJ Sharpnelを聴いている方が楽しいに決まってるじゃないですか!
【好き好き大好き超愛してる】
私達、私はハードコアテクノを作り始めのころ、Dancemania SPEEDがなんだとか言ってると(DJ Sharpnelは既に市民権を得ていました)、ハードコアDJからかなり白い目で見られました。それは間違ったクラブミュージックであり、本当のハードコアではないのだと。
ですがもはや我慢しません。Dancemania SPEEDがクラブミュージックではないと言うなら私が聴いている音楽はポップソングなのだ、偽物だったのだ、と言っても構いません。しかしながら大好きなポップソングであり、愛すべき偽物です。
だから私は好きなものを好きだと主張します。皆さん胸を張ってDancemania SPEEDを聞きましょう!
【メインストリームではないHappy Hardcore入門】
●Dancemania SPEED BEST 2001
正に「ポップアレンジ」の総力が挙げられた作品、まずはこれから!
●Dancemania SPEED シリーズ
6~8番当たりの日本臭さはかなり凄い、お薦め。
●Dance Express Hi-Speed
1~3 及び Bestのみのリリース。ベスト盤は当時の流行に合わせてユーロービート化してしまっているので、1~3を揃えるのがベストです。
×Dancemania SPEED Gシリーズ
方向性が一新してしまったSPEEDシリーズ後編、UK Hardcoreも導入され、かなりよくわからなくなっています。上記作品を全て揃えてしまったらあえてこちらに挑戦するよりもそろそろBonkersあたりに手を出してみるのが良いのかもしれません。




